出生前診断は20代でも受けられる?
お腹の中にいる赤ちゃんが健やかに育っているかどうか不安に感じ、東京で出生前診断を受けたいと考えている20代の妊婦さんが増えている傾向です。出生前診断と聞くと35歳以上の高齢出産の方が受ける検査というイメージが強いですが、20代の方でも受けられるかどうか紹介します。
条件が揃っていれば35歳未満でも受けることができる
染色体異常かどうかを確認することができる出生前診断は、条件が揃っていれば35歳未満の妊婦さんであっても受けることができます。その条件とはどんなものかというと、胎児超音波検査や母体血清マーカー検査で陽性の結果が出たケース、染色体的異常を持った子どもを妊娠した経験があるケースなどです。
他にも両親のどちらかに遺伝子的問題がある場合も、検査をおこなうことができます。したがって20代で検査をしたいと考えているのであれば、これらに該当するかどうか確認することがポイントになります。
また出生前診断はどこのクリニックでもおこなっているわけではなく、一定の基準を満たした認定施設のみでおこなっています。認定施設の条件は、産婦人科医師や小児科医師が常駐している、遺伝子外来を設置しているなど何点かあるので、そのような施設が近くにあるか確認してみるのがいいでしょう。
ちなみに日本では認可を受けている施設は90箇所程度しかありません。検査費用は保険適用ではないので、自費で20万円程度かかります。
20代の方が検査を受ける前に知っておくべきこととは
20代で出生前診断を受けるのであれば、まずダウン症などの染色体異常は高齢出産の方に比べて低いということを知っておくことが大切です。ダウン症などの染色体異常は年齢を重ねるごとに発症率が高まると言われており、特に30代後半から急激に高まります。
ダウン症の発症確率は、35歳だと1/297ですが、20歳だと1/1177、25歳でも1/1040です。このように確率的には20歳でダウン症の子どもを産む確率は低いといえるので、状況によっては必要のない検査なのかもしれません。
そうはいっても染色体異常が発生する確率は0ではないので、安心して出産まで迎えたいというのであれば利用してみるのもおすすめです。この検査は決まった時期にしかおこなうことができないので、不安にかんじているのであれば夫婦でよく話し合って決めるのがいいでしょう。
他にも出生前診断の非確定検査では、母体年齢が低いほど陽性的中率が下がるという特徴があります。陽性的中率とは、陽性と判断された人の中で本当に染色体異常が確認される確率のことをいいます。
したがってもし陽性だという結果が出たとしても、若い人の場合は本当に陽性であるかどうか判断するのが難しいです。
20代の妊婦さんでは受けられない検査もある
一部の検査では35歳以上の高齢出産でないと受けられないものもあります。それはどんな検査かというとNIPTという新型出生前診断です。NIPTは日本産婦人科学会の指針を元にして検査が運用されているので、誰でも簡単におこなえるわけではありません。
指針では染色体異常の確率が高い35歳以上の妊婦さんのみに限定しているからです。したがって若い妊婦さんが検査を受けたいと考えた場合、NIPTよりも検査精度の低い母体血清マーカー検査か胎児へのリスクが高い羊水検査を選ばなければなりません。
無認可施設の中にはNIPTを実施しているところもありますが、このような無認可施設では専門外の医師がおこなっている場合が多いので注意が必要です。
このように20代でも出生前診断を受けることができますが、検査精度の高いNIPTは35歳以上の高齢妊娠の方が中心なので、他の検査を受けることが多いです。20代でダウン症などの染色体異常の子どもを授かる割合は極めて低いので、検査をしたいと考えているのであればそのことを考慮することもポイントになります。
検査ができる施設もさまざまな条件をクリアしたところだけなので、まずは住んでいるところの近くに検査ができる施設があるかどうか確認することが大切です。