出生前診断でわかるエドワーズ症候群とは?症状や検査方法をご紹介!
これから出産を予定している人や、出生前診断を受けようか迷っている人の中には「生まれてくる赤ちゃんに、病気はないかな?」「発育に問題はないかな?」と不安に感じる人がいるかもしれません。出生前診断でわかる先天性疾患のひとつが、エドワーズ症候群です。今回はエドワーズ症候群の特徴や主な症状のほか、検査方法も紹介します。
エドワーズ症候群とは
エドワーズ症候群は18トリソミーとも呼ばれており、染色体異常による疾患です。人間には全部で23の染色体があり、それぞれ2本ずつペアになっています。しかし、エドワーズ症候群は第18番目の染色体が3本あり、後述するさまざまな症状を引き起こすのです。
発生頻度は高くなく、新しく生まれてくる赤ちゃんの3,500人~8,000人に1人の頻度とされています。男女比は1:3で、女児に多いのが特徴です。自然流産するケースが多く、出生に至るのは全体の5%ほど。無事に出生できても1週間以内に亡くなることがほとんどで、生後1年までの生存率は10%未満とされています。出産時の母親の年齢が高くなればなるほど、エドワーズ症候群の発生率が高まります。
エドワーズ症候群の症状
エドワーズ症候群の赤ちゃんにはある程度共通した、生まれつきの身体的特徴と先天性疾患・合併症が見られます。主なものは次の通りです。
身体的特徴
・口唇口蓋裂
・手指が重なっている
・体格が小さい
・あごが小さい
・内反足
・後頭部の突出
・揺り椅子状足底
・短い胸骨
先天性疾患・合併症
・心室中隔欠損
・心房中隔欠損
・動脈管狭窄
・肺高血圧
・横隔膜弛緩症
・食道閉鎖
・精神遅滞
・難聴
生まれつき体は小さく、その後の成長もゆっくりです。自分一人で食事をしたり、歩いたり、会話をしたりすることが難しく、常に周囲からの手厚いサポートやケアが欠かせません。しかし、個々のペースに合わせてできることを積み上げていくことで、個性豊かな成長や発達が期待できるでしょう。
心室中隔欠損や心房中隔欠損、動脈管狭窄といった心疾患は、90%という高確率で表れます。そのため、できるだけ早い段階での診断と適切な治療が必要です。また、先天性心疾患や上気道・下気道による病変は呼吸不全につながるため、予後に大きく影響を与えるでしょう。
エドワーズ症候群の検査方法
エドワーズ症候群の出生前検査は、大きく形態異常を調べる検査と、染色体異常を調べる検査の2種類があります。染色体異常を調べる検査はさらに、非確定的検査と確定的検査の2つに分けられます。
形態異常を調べる検査
形態異常を調べる代表的な検査が、超音波検査(エコー検査)です。体の表面に超音波が出る機器をあてて、臓器から反射してくる超音波を画像として映し出します。小脳の小ささや発育の遅れ、羊水過多、手足の特徴などから、総合的にエドワーズ症候群かどうかを疑います。
非確定的検査
非確定的検査は、染色体異常を調べる検査の一種類です。主な種類は次の3つです。
・母体血清マーカー検査
・コンバインド検査
・新型出生前診断(NIPT)
新型出生前診断(NIPT)は検査費用が20万円ほどと、ほかの検査と比べて高額ですが、検査の精度が高いことから注目されています。また、妊娠10週目からと、早期から検査が行えるのも魅力です。
確定的検査
上記で挙げた非確定的検査の結果は、確定診断ではありません。確定診断には確定的検査である、絨毛検査や羊水検査が必要です。ただし、0.3%~0.5%の確率で検査後の流産・早産といったリスクがあるため、染色体異常のリスクが高いと判断されない限りは利用できません。
まとめ
エドワーズ症候群は染色体異常による疾患のひとつで、18番目の染色体が1本多いことが原因です。根本的な体質を変える方法はありませんが、一人ひとりの先天性疾患・合併症に合った治療法が検討しています。出生前診断を行う医療機関は増加傾向にあります。ただし、それぞれの検査の特徴や結果が示す意味を正しく知ることが大切です。いくつかの医療機関を検討して、信頼できるところへお願いしましょう。