妊娠糖尿病のリスクとは?原因や予防方法についてご紹介!
はじめて妊娠をすると、出産までの約10か月をどのように過ごすのか不安に感じる方も多いでしょう。また、特殊な体の状態になる分、特有の病気やトラブルが発生する可能性もあります。とくに妊婦の7~9%がかかるとされている妊娠糖尿病は、気を付かなければならない病気です。今回は、妊娠糖尿病の症状やリスク、予防法を紹介します。
妊娠糖尿病とは
糖尿病と聞くと、太っている方や生活習慣が乱れている方がかかりやすい病気として認識している方も多いのではないでしょうか。しかし、妊娠中は普段とは異なる体の状態になることで、妊娠糖尿病と呼ばれる特有の病気になるケースがあるのです。病気の内容としては、血糖値がうまくコントロールできなくなるというもので、一般的な糖尿病とほとんど同じです。ただし、発症する理由が一般的な糖尿病とは異なります。
まず、通常であれば、食事などで血糖値が上がればインスリンというホルモンが血糖値を下げるよう働きます。しかし、赤ちゃんがお腹にいる状態では、お母さんの体の栄養を赤ちゃんにも送ろうとしているでしょう。そのため、通常であれば機能するはずのインスリンの働きを抑えられ、積極的に糖を赤ちゃんに送ろうとします。つまり、誰しも妊娠中は血糖値が上がりやすくなりますが、インスリンの働きが弱くなりすぎると妊娠糖尿病にかかるのです。
妊娠糖尿病の原因
妊娠糖尿病にかかる原因は、通常であれば血糖値を抑えるために働くはずのインスリンの機能が抑えられてしまうことです。お母さんの体から赤ちゃんにエネルギーを送ろうとするため、あえてインスリンの働きが抑えられてしまいます。しかし、インスリンの働きが抑えられすぎてしまうと、血糖値が高くなりすぎて妊娠糖尿病にかかってしまいます。
また、お母さんのインスリンは、赤ちゃんに運べません。つまり、血糖値が高すぎると、赤ちゃんにも高血糖な状態でエネルギーが運ばれることになってしまうのです。そのため、胎児自身でもインスリンを大量に分泌しなければならないという事態になり、母子ともにリスクを抱えてしまいます。
妊娠糖尿病によるリスク
病院で健診を受けることで発覚するケースが多く、ほとんど自覚症状がありません。自覚症状がないにもかかわらず、最悪の場合、母子の命にもかかわる危険な病気です。たとえば、お母さんの場合、流産や早産、羊水過多、網膜症、意識障害などを引き起こすリスクがあります。一方、赤ちゃんは発育の遅れ、横断、先天奇形、子宮内胎児死亡などにかかる可能性があります。なお、妊婦の7~9%がかかるとされているため、決して他人事ではない危険な病気だといえるでしょう。
妊娠糖尿病の予防方法
妊娠糖尿病にならないようにするためには、普段から健康的かつ適正なエネルギー量の食事を心がけることが重要です。遺伝によってかかる可能性がありますが、食事の内容を見直すことで予防できます。また、自覚症状がない分、定期的に病院で健診を受けるのも有効です。健診を受ければ、血液検査や尿検査を通じて、数値に異常があればすぐに病気が見つかるでしょう。もし妊娠糖尿病を発症していても、早期発見ができれば重症化する前に治療が可能です。
妊娠糖尿病は決して珍しくない病気であり、誰でも発症するリスクがあります。決して他人事だと考えず、予防方法を知っておくようにしましょう。なお、遺伝が理由で発症するケースもありますが、食事の内容に気を付けることで予防できる病気でもあります。まずはかからないようにすることが大切であるため、健康的な生活習慣を心掛けましょう。また、万が一、妊娠糖尿病を発症していても、ほとんど自覚症状がありません。発見が遅れれば重症化するリスクが高まるため、健診を受け早期発見に努めることも重要です。