東京で受けられる新型出生前診断によくある意見
新型出生前診断については、これまでよりも実施施設を緩和する方向で議論が進んでいます。少子高齢化と平行して女性の初産年齢が高くなり、特定の遺伝疾患に罹患するリスクが高いことから新型出生前診断のニーズは今後一層多くなるものと予想されます。しかしこのような方向での検査対象を拡大することには、賛否両方の見解が主張されています。
新型出生前診断の適応拡大に関わる背景事情
東京で新型出生前診断に対するニーズが高まっている背景には、特定の種類の遺伝性疾患を出生前に高い確率で予見することが可能になったことが挙げられます。従来は羊水採取などといった流産のリスクもともなう検査手法を選択しないと、高確率で遺伝性疾患のリスクを捕捉することは困難でした。
ところが最近の遺伝性疾患の検査技術の発展により、母親の血液を採取するという安全な検査で、染色体異常や二分脊椎の高リスク群の捕捉が可能になってきました。母体に影響が少ない方法として、新型出生前診断(NIPT)、母体血清マーカーなどがあります。
これらの遺伝性疾患は根本的な治療法は確立されておらず、流産や死産のリスクが高いこと、仮に出産を乗り越えても生涯にわたり遺伝性疾患と向き合うことになることなどが意識されるようになりました。そこで妊娠中に出生前確定診断を希望する方が多くなっています。
新型出生前診断の適応拡大に否定的な意見
東京で出生前診断を受けることのニーズが増加傾向にあることと、このような検査を活用することへの賛否は別次元の問題です。新型出生前診断を受けた結果、遺伝子異常のリスクが高いと診断された場合に中絶を選択するカップルが多いことから、「生命の選別にあたる」との否定的見解が根強く主張されています。
否定的見解を主張するのは、主にダウン症など新型出生前診断の検査対象とされる遺伝性疾患の子どもをもつ家族の方です。障がいを抱えることは確かに大変な側面はあることを認めつつも、障がいがあるとはいってもかわいい子どもであることに変わりはなく、ハンディキャップも見方を変えればその子の個性と認識できるということを基調にした意見です。
また悩んだ末に中絶を選べば、結局自らの手で殺めたことになるという自責の念に襲われるという意見も含まれます。否定的意見の方にあっては、積極的に推進していけば優性思想に行き着いてしまうという危惧もあるようです。
新型出生前診断の適応拡大に肯定的な意見
東京を始めとして新型出生前診断に対して肯定的な見解は、新生児にダウン症の罹患リスクが高いとされる30代以降の当事者が中心となっています。
彼らが積極的に受診しようとする背景には、我が子が深刻な遺伝性疾患を抱えて生まれてきた場合に、ケアするための経済的・時間的余裕がないこと、成人以降独立して生活するのが困難な場合に自分たちの死後誰が介護や生活介助をするのかということなど、強い不安や危惧の念があるのが共通している傾向にあります。
また過去に遺伝子異常が原因で流産したり、出生後わずかしか生存できずに死亡したりした経験をもつなど、遺伝子異常の経験のある方も含まれます。彼らの意見としては、「深刻な障がいなどを負って生活することは自分たち家族で完結できる問題ではなく、周囲の手助けも必要になるため迷惑はかけたくない」、「誰もがポジティブに障がいのある子どもと向き合うことができるわけではない」などがあり、新型出生前診断の適応拡大に肯定的な意見を持っているようです。
東京で新型出生前診断を受けるニーズは増加しています。検査技術の進歩によって身体に負担の少ない方法で遺伝子異常を発見できる技術が確立されたことの影響が大きいようです。主に対象となる疾患はダウン症や二分脊椎などです。遺伝子異常が発見された場合には中絶を選ぶ傾向があるため、新型出生前診断の適用拡大には、否定説と肯定説の異なる意見が展開されています。