胎児ドックとは?受けるとわかることやメリット・デメリットをご紹介
人間ドックならぬ胎児ドック。お腹の赤ちゃんの健康が気になるのは親としては当然のことでしょう。必ず受けるべき検査ではありませんが、高齢出産であるほど赤ちゃんの健康が気になり検査を受ける人は多いようです。胎児ドックを受けるとどんなことがわかるのでしょうか。メリットやデメリットについても詳しくご紹介します。
胎児ドックとは
お母さんのお腹の中にいる赤ちゃんの染色体異常などを見つけるために出生前診断で調べることがありますが、そのうち超音波を使った検査であるスクリーニング検査が胎児ドックです。病院によってもその呼び方はさまざまで、胎児スクリーニング検査や胎児初期精密検査と呼ばれる場合もあります。
妊婦健診と同様に超音波検査で赤ちゃんの様子をみていくことになりますが、通常の超音波検査よりも高精度で赤ちゃんの様子をはっきりと確認できるのが特徴です。出生前診断と内容は少し似ていますが、検査方法がそれぞれ異なります。
妊婦さんの血液を採取する出生前診断に対して胎児ドックでは超音波のみを用いた検査になります。実施回数に関しても違いがあり、だいたい10週以降に1回のみ受けられる出生前診断に対して胎児ドックは初期、中期、後期で最大3回受けることが可能です。
費用に関しては出生前診断よりもはるかに安いケースがほとんどで、出生前診断が約15~20万円であるのに対して胎児ドックは約2~5万円程度で受けることができます。高齢出産であるほど赤ちゃんの健康に影響を及ぼしている可能性が高まるため、35歳以上の方に胎児ドックを薦める病院もあるようです。
胎児ドックでわかること
先ほども述べた通り、胎児ドックでは超音波を用いた検査を行います。妊娠初期の検査では胎児の頸の後ろにあるむくみの厚さから染色体異常や心形態異常の可能性があるかどうかを調べていきます。ただこの段階で疑わしいと診断されても自然とむくみが消える場合もあるため、そこまで心配する必要はなさそうです。
母体血清マーカーと呼ばれる検査もあり、ダウン症や神経管閉鎖障害などの以上があるかどうかを調べていきます。中期では胎児の体の形状に関する異常や胎盤、へその緒の異常を診断する検査を行います。後期も同様に超音波検査によって発育の状態や健康状態などを診ていきます。出生前診断と違ってその場で結果がわかるので、すぐに胎児の健康状態を知りたい人にはおすすめです。
胎児ドックのメリット・デメリット
胎児ドックの大きなメリットは、母体にも胎児にも負担をかけることなく検査ができ、リスクなしで胎児の健康状態を知ることができるという点です。痛みもまったくないですし、流産のリスクもありません。また、視覚的に胎児の先天性異常を早期に発見することが可能です。費用に関してもほかの検査よりも比較的安いので、金銭的な負担も少なく済みます。
デメリットとしては出生前診断に比べると精度が低い分、何らかの異常が見つかった際に医師からはっきりした回答が得られずにもやもやしてしまう可能性があります。もし異常があった場合には羊水検査や絨毛検査を受けた方がいいのか検討することになるでしょう。そうなれば精神的にも金銭的にもさらに負担がかかることになってしまいます。検査結果が確実ではないだけに不安が増し、今後どうしていくかをさらに考えなくてはなりません。
まとめ
胎児ドックは実施している病院であれば希望することで誰でも検査が可能です。母体にも胎児にもノーリスクで比較的手軽に受けることができる胎児ドックですが、必ずしも確実な検査結果を得られるわけではありません。何も異常が見つからなければ安心できますが、もし何かあったらどうするかを踏まえたうえで胎児ドックを受けるかどうか検討することをおすすめします。胎児ドックのメリット、デメリットをしっかり理解し、後悔のない選択をしましょう。