親になるなら知っておきたい!ターナー症候群の基礎知識を解説!
これから子供が欲しいと考えている方は、前もって様々な知識を有しておくことをおすすめします。特に、産まれてくる子供が全員健康だとは限りません。産まれてきた時点で病気を抱えてくるケースもあるのです、今回は性染色体に関する疾患の1つであるターナー症候群について紹介するので、参考にしてください。
ターナー症候群とは
ターナー症候群とは、人の性別を決める性染色体に異常がある疾患のことを指します。本来、性染色体は男性の場合XY、女性の場合XXであり、組み合わせによって性別が決定します。ターナー症候群はモノソミーX、Xモノソミーとも呼ばれ、性染色体がX1つしかありません。
先天性疾患である
ターナー症候群であるかどうかは、妊娠している時に決まります。産まれてからターナー症候群を発症することはなく、先天性疾患の1つなのです。およそ2,500人に1人の割合で発症すると言われており、珍しい疾患とは言えません。残念ながら産まれてくる前に自然流産してしまう確率が高く、子供がターナー症候群だったか分からないパターンも存在します。
ターナー症候群の原因や症状
ターナー症候群は性染色体が1本少ない状態です。本来、子供の性別が決まる時、母親からはX染色体、父親からはX染色体またはY染色体が受け継がれるのですが、何らかの原因で性染色体の1本が上手に受け継がれずターナー症候群が発症してしまいます。決して両親の健康状態に問題があるというわけではなく、誰にでも起こりうることなのです。
特徴的な症状
ターナー症候群の女性は、一般的に身長が低く二次性徴が起こらない可能性が高くなっています。日本人女性の平均身長は158㎝と言われていますが、ターナー症候群の場合140㎝に満たないケースも少なくありません。場合によっては不妊になってしまうこともあります。ほかにも多動性がある、学習障害を起こすなど、知能面に症状が現れる可能性もあるので覚えておいてください。
また、背骨が曲がってしまう脊柱側弯症、骨密度が低く骨折しやすい骨粗しょう症、視力・朝食の低下、高血圧や糖尿病になりやすいなど、様々な合併症を引き起こすと言われています。ただ、全てのターナー症候群の女性にこの症状が現れるわけではありません。生まれた時は、ほかの女児と変わらず、思春期を迎えてはじめて気づくこともあるのです。
子どもがターナー症候群だとわかったら
子供がターナー症候群だった場合、治療に進んでください。低身長など発育不全に関しては、注射や投薬で成長ホルモン・女性ホルモンを補充します。これによって、通常140㎝に満たないと言われている身長が150㎝近くまで成長したという例も存在します。
また、高血圧や糖尿病、肥満といった健康面に関しては、食事や運動を適切に管理することが重要です。このように適切に治療を行い親がサポートすることで、ターナー症候群ではない人たちと同じような生活を送ることに繋がります。子供のことを考え、しっかり向き合っていきましょう。
出生前診断で生まれる前に判明することも
現在、新型出生前診断といって非常に精度の高い出生前診断が主流になってきています。母体や胎児に負担をかけることなく、血液検査するだけで胎児の遺伝子の状態が分かるというものになっています。
この新型出生前診断のなかには、ターナー症候群が検査の対象になっているものもあるため、必要に応じて受けるかどうか選択してください。ただ、この検査で陽性になったからといって必ずターナー症候群というわけではありません。あくまで「ターナー症候群の可能性がある」ということになるため、よく考えて診断を受けることが大切です。
まとめ
ターナー症候群について解説しました。低身長や不妊、骨粗しょう症、生活習慣病になりやすいなどの症状はありますが、適切に治療とケアを行うことで普通の生活を送れるようになってきています。産まれてきた子供がターナー症候群だからといって自暴自棄にならず、親が1番の理解者になってサポートしてください。愛情をもって子供に接することで、健やかに成長していけるでしょう。