新型出生前診断とは?具体的な検査内容を事前に知っておこう!
高齢出産数は年々増えており、広く知られてきているのが新型出生前診断です。ただし、言葉を知っているだけで、詳しく知らない人もまだ多いのではないでしょうか。そこで今回は、新型出生前診断とはそもそも何なのか、どんな特徴があるのか、診断で何がわかるのか、初めて聞く人でもわかるように解説していきます。
新型出生前診断とは?
新型出生前診断(略称NIPT)とは、非常に精度の高い検査方法になります。確定診断ではなく、あくまでもスクリーニング検査です。そのため、病気を診断するものではありません。この検査を行うことで胎児に染色体異常があるかが分かります。
さらに従来の出生前診断とは違った安全性の高い方法で診断可能です。しかし、スクリーニング検査のため、あくまでも診断の補助として使われています。そのため確定診断を受けたい場合は、別の検査を行わればなりません。
新型出生前診断の特徴
新型出生前診断の特徴は、羊水検査や絨毛検査と比較して、胎児に対するリスクが低いことです。羊水検査は、へそに近い皮膚から子宮に向かって注射針を刺し、子宮内の羊水を採取することで診断します。エコーを用いて安全を確認しながら行うものの、胎児に影響を与えることから流産や死産の可能性が新型出生前診断よりも高いです。絨毛検査は、胎盤の一部である絨毛を採取して診断します。羊水と子宮頸管のどちらかに針を刺して採取する方法であり、羊水検査よりもリスクが高いです。
しかし、新型出生前診断の場合は、母親の腕から採血するだけなので検査のリスクが低くなります。ほかにも早い時期から検査ができ、染色体異常の検査精度が高いことも特徴です。検査時期は、先ほど紹介した羊毛検査で妊娠15週目以降、絨毛検査で10週目以降から実施できます。
それに対して新型出生前診断は10週目から検査ができるため、安全かつ早いタイミングで行えるでしょう。染色体異常の検査精度に関して、新型出生前診断は従来のスクリーニング検査よりも精度が非常に高いです。従来のスクリーニング検査(母体血清マーカー検査・コンバインド検査)の場合、70~80%程度の精度しかありません。それに対して新型出生前診断では、精度は99%以上です。ただし、100%ではないことから、検査結果と違う状態で生まれてくる可能性も0ではありません。
新型出生前診断でわかること
この検査でわかることは胎児に染色体異常が生じる可能性があるかどうかです。染色体異常が原因となり起こる病気はさまざまであり、その中でもダウン症はよく知られています。そもそも染色体異常は2本1組のDNAが欠けてしまったり、本数が増えてしまったりした状態のことです。染色体の違いにより、さまざまな発達の遅れや病気特有の身体特徴を認めるようになります。
また染色体異常を直接治療する方法はなく、それが原因で起こる合併症を予防するしか方法はありません。そして新型出生前診断によってわかる染色体異常は、パトウ症候群、ダウン症候群、エドワーズ症候群、クラインフェルター症候群、ターナー症候群です。
まとめ
高齢出産の場合、年齢が高くなるほど染色体異常をもつ胎児が生まれる可能性は高くなります。そのため、出生前からさまざまな検査を行うことは推奨されており、珍しくありません。さまざまな検査があるなかで、新型出生前診断に注目すべきポイントはみっつあります。ひとつ目は妊婦と胎児への負担が最小限であり、死産や流産のリスクが非常に低いことです。検査時期が妊娠10周目から可能であることがふたつ目のポイントになります。みっつ目の特徴は、検査の精度が99%以上と非常に高いことです。妊娠への不安を解消し母子へ負担をかけることなく、早期からほぼ正確な診断ができます。ただし、100%ではないため、確定診断をするためにはほかの検査を受ける必要があるので注意が必要です。