母体血胎児染色体検査とは?検査内容や対象者などをご紹介!
すべての赤ちゃんが健康で生まれるのが理想ですが、中には異常を持って生まれる子がいるのも事実です。そのため、出産を控えたお母さんは、赤ちゃんが誕生する喜びを感じつつも、何らかの異常がないか不安に感じている方も多いでしょう。そこで本記事では、出産前に赤ちゃんに異常があるかを判断できる母体血胎児染色体検査ついて解説します。
母体血胎児染色体検査とは
出産時期が近づいてくると、喜びが日に日に大きくなる半面、生まれてくる赤ちゃんに異常がないかを心配する方もいるでしょう。というのも、すべての赤ちゃんのうち3~4%は何らかの異常を持って生まれます。ここで表現する異常というのは先天異常のことであり、染色体疾患や遺伝子配列による疾患、形態の疾患などさまざまなケースがあります。なお、超音波では形態の異常は確認できますが、染色体に関する異常は確認できません。
そこで、染色体が原因となる疾患がないかを確認する際は母体血胎児染色体検査が行われます。そもそも人間は46本の染色体がありますが、構造が変化していたり、数が多かったり少なかったりすることでさまざまな疾患が生じるのです。
母体血胎児染色体検査の内容
そもそもお母さんと赤ちゃんの血液は混じり合わないのをご存知でしょうか。胎盤を通じてお母さんは赤ちゃんに酸素や栄養を送り、反対に赤ちゃんは老廃物や二酸化炭素をお母さんに渡しているのです。そのため、お母さんと赤ちゃんの血液を唯一接するところが胎盤なのです。
そこで母体血胎児染色体検査では、胎盤にある絨毛細胞由来のDNAを採取します。そこでは赤ちゃんと同じ染色体があるため、採取することで赤ちゃんの染色体を検査できます。そして、ごく少量のDNAを採取し、DNAを増幅して検査結果を確認します。
ただし、検査結果の的中率はそれほど高いとはいえません。たとえば陽性が出た場合、的中率は80%のため、残りの20%は誤りの可能性があるのです。そのため、もし陽性となった場合はより正確な診断ができる検査を受ける必要があります。
母体血胎児染色体検査を受けられる人
母体血胎児染色体検査は20万円ほどかかります。しかし、出産前に赤ちゃんに疾患がないかを確認したい方は担当医に検査を受けられるか聞いてみましょう。ただ、すべての人が検査を受けられるわけではありません。高齢出産の方や以前に染色体疾患のある子どもを妊娠または出産したことがある方などが対象となります。
高齢出産とは出産予定日が35歳以上の方が該当します。そのほか、担当医から染色体異常の赤ちゃんがいるかもしれないと判断された人、両親のどちらかが染色体に関する疾患を抱えている人なども対象となります。もし検査を受ける場合、妊娠10~15週のタイミングで実施されます。
なお、検査は合計3回行う必要があり、予約が必須のクリニックも多いので事前に相談しておきましょう。お母さん、お父さんの気持ちとしては元気な赤ちゃんを出産したいと考えるのは当然のことでしょう。しかし、母体血胎児染色体検査をしたとしてもすべての異常がわかるわけではありません。安心材料にはなりますが、発達に関わる異常などは出産前に判断できないことを認識しておきましょう。
まとめ
妊娠したことがわかると、妊娠した喜びと同時に元気な赤ちゃんが生まれるか不安に感じる方も多いでしょう。染色体に関する異常は母体血胎児染色体検査によってわかります。ただ、陽性と判断されたとしても、的中率は80%ほどのためより確実な検査を行う必要があります。さらに、すべての人が検査を受けられるわけではないという点にも注意しましょう。高齢出産の方や過去に染色体異常の赤ちゃんを妊娠・出産したことがある人などが対象となります。