新型出生前診断の検査の流れを知りたい!
「新型出生前診断(NIPT)」は、赤ちゃんがダウン症などの染色体異常がないかを、お腹にいる段階で調べるものです。この記事では、NIPTについての概要や検査を受ける流れ、事前に知っておきたい基本情報などを含めてみていきたいと思います。
新型出生前診断(NIPT)とはどんなものか
新型出生前診断(NIPT)とは、妊婦の血液の中に含まれている胎児のDNAを解析することで、産まれてくる赤ちゃんの染色体異常などを調べることができるものです。2011年にアメリカで始まり、日本では2013年から導入されました。
対象となっている染色体疾患は、その7割が該当すると言われる「ダウン症候群(21トリソミー)」「18トリソミー」「13トリソミー」の3つです。NIPTでは、これら以外の染色体・先天性の疾患などは対象としていません。
また、あくまでも「非確定診断」の一つであり、NIPTの結果が陽性と出た場合には、羊水を調べるなどの「確定診断」を受ける必要が出てきます。NIPTのメリットは、その精度の高さにあります。確定診断の主流である羊水検査は、お腹に針を刺すため流産リスクなど、妊婦や胎児にとっては少なからず負担の大きいものです。その点NIPTなら、血液を採取するだけですみますので負担も少なく安全であると言えるでしょう。
新型出生前診断(NIPT)の検査の流れとは
診断を受ける場合には、まずNIPTをおこなっている医療機関に予約を入れる必要があります。受診できるのは妊娠10週以降ですので、その時期が近づいてきたら担当医に相談すると良いでしょう。
検査前には「遺伝カウンセリング」といって、原則パートナーと一緒に専門医あるいは認定遺伝カウンセラーからカウンセリングを受ける必要があります。所要時間は1時間程度で、診断に関しての情報をしっかり理解したうえで、診断を受けるかどうかパートナーとともに判断してもらうことが主たる目的です。
内容は、過去の妊娠や出産などの問診に始まり、NIPTの具体的方法や診断できる疾患の説明があります。そのうえで診断結果をどう受け止めどう意思決定をすればよいかなどの、アドバイスなども含まれます。検査方法は採血のみですので、遺伝カウンセリングを受けた日におこなうこともできますし、日を改めて受診することも可能です。
結果は1週間から2週間後にわかりますので、陽性と出た場合に確定検査を受けるかどうか「診断後遺伝カウンセリング」で説明や助言をもらうことができます。
新型出生前診断を受ける前に知っておきたいこと
新型出生前診断(NIPT)は、前述したとおり「21トリソミー」「18トリソミー」「13トリソミー」、この3つの染色体異常を調べることができます。そのうちの「21トリソミー」は「ダウン症候群」といわれ、染色体異常のうちの約半分を占めています。
ダウン症候群は特徴的な顔をもっており、視覚や聴覚、心臓などへの疾患を伴うこともあります。ただし個人差も大きく丈夫に育っていくケースも少なくありません。「18トリソミー」および「13トリソミー」は重い疾患を伴うことも多く、数年で亡くなってしまうことが多いといわれています。
NIPTを受けるためには、15万円から20万円ほどの費用がかかり保険適用外となります。ただし、検査結果が陽性と出て確定検査である「羊水検査」を受ける必要がある場合は、追加費用なしで受けることができます。
「出生前診断」の中で、2013年から日本で導入された新しい診断方法が「新型出生前診断」です。従来の非確定検査と比較して精度も高く、血液を採取するだけですので、羊水を調べる方法に比べて母体や胎児へのリスクもほとんどないといわれています。東京にはNIPTを実施しているクリニックが多く存在していますので、各クリニックの特長などをしっかり確認のうえ、良い病院を選ぶことが大切です。
また診断結果により決断が迫られることがあるでしょうが、検査を受けるかどうかの選択の際から、パートナーとしっかり話し合いをしておくことが必要でしょう。