トリプルX症候群とはどんな病気？特徴や症状をわかりやすく解説！

トリプルX症候群という病気を知っていますか？性染色体以上の１つなのですが、一体どのような特徴や症状があるのか気になる人もいるかと思います。とくに、これから子供が欲しいと考えている人にとって、先天性疾患の知識は必要不可欠です。今回は、トリプルX症候群について分かりやすく説明していきます。

トリプルX症候群とは

トリプルX症候群はトリソミーXとも呼ばれ、女児に発症する先天性疾患です。本来、女性の性染色体はXXとXの2本で構成されていますが、トリプルX症候群はその名の通りXXXという性染色体を有しています。数が不足していると成長がうまくいかないことが予想されますが、多い分にはとくに問題ないのではと思うかもしれません。しかし、実際は人間の設計図と言われている染色体の数が多いのは、異常な状態なのです。そのため、体に様々な影響を及ぼす可能性があります。

トリプルX症候群の特徴と原因

トリプルX症候群はなぜ起こるのでしょうか。ほかの染色体異常の疾患にも共通することなのですが、残念ながら明確な原因は判明していません。何らかの異常が起こってX染色体の数が3本に変異してしまうのです。一説では減数分裂の失敗が原因だと言われています。

通常、染色体は分裂する際に1つの細胞に1つの染色体が入るようになっているのですが、それがうまく行われず分裂したうちの細胞の中にX染色体を2本もつ細胞が生まれます。これが卵子になって受精した際にX染色体が3本になる可能性があります。また、妊婦の年齢が高くなるとトリプルX症候群が発祥する確率も高くなると言われていますが、なぜ高くなるのかははっきりしていません。

トリプルX症候群になるとどうなる

トリプルX症候群の女性は、通常の女性に比べ身長が高くなる傾向があります。ただ、あくまで傾向があるだけで、全てのトリプルX症候群の女性が高身長になるわけではないのです。身体的にはむしろ、ほかの女性と特に変わらないというケースも多くなっています。

そのほかに手の指、特に小指が曲がりやすい手指湾が起こる、瞳孔と瞳孔の距離が長い、蒙古ひだと呼ばれる内顔角質皮があるなどの特徴があります。これらも必ず当てはまるわけではないため、見た目では判断できない部分も大きいです。

トリプルX症候群の症状

目立つような身体的特徴はあまり起こらないトリプルX症候群ですが、そのほかにも症状が出ることもあります。たとえば、学習障害を起こすなど知能面で発達が遅れてしまったり、感情をうまく表現できなかったり、運動能力の発達遅延が起こったりなどです。

また、腎臓や生殖器系に異常が発生する、心臓に疾患を抱えるといったケースも少なくありません。これらの症状がほぼ起こらないこともあれば、全てのパターンに当てはまってしまい重篤な症状を引き起こしてしまうことも。とくに問題ない場合、トリプルX症候群だと気付かないことも考えられます。

子供がトリプルX症候群だったら？

産まれてきた子供がトリプルX症候群だった場合、悲観的になる必要はありません。治療が必要ないケースも多く、そのまま親や周囲のサポートによって問題なく生活を送れることもあるのです。言葉や感情表現の発達が遅れていると感じたら、人とコミュニケーションをとる機会を積極的に設ける、様々な経験を積ませることで順調に育っていくことも考えられるでしょう。

運動機能に不安があるなら、水泳や体操など全身を使うスポーツに取り組ませるのもおすすめです。人と接する機会が増えて、感情面の発達にも役立つことが予想されます。親がしっかり病気のことを理解すれば、子供はのびやかに育つことができます。理解を深めてきちんとサポートしてください。

まとめ

トリプルX症候群について解説しました。身体的な症状はあまり見られませんが、高身長や低体重、小指が曲がりやすい、扁平足などを引き起こすこともあります。また、知能面や感情、運動機能で発育遅延が見られるケースもあります。そのような場合、問題なく日常生活を送れるように、親が様々な経験を積ませて子供が健やかに成長できるようサポートしてください。