新型出生前診断の始まりと歴史
まだ医療技術が発達していなかったころ、出産は今以上に命懸けでした。お腹の中の状態はまったくわからず、出てきてようやく双子だったことが判明して大慌てといった状態です。また、お腹の中で何らかの病気を持っている恐れもあります。そこで今回は、染色体や遺伝子異常をある程度調べられる新型出生前診断の始まりと歴史をお話しします。
出生前診断の始まりは羊水検査から
赤ちゃんはお腹の中で羊水と呼ばれる水の中をぷかぷか浮いています。出生前診断は、その羊水を調べる検査ができるようになったのが始まりなのです。新型出生前診断の歴史はわずか40年程度ととても短いものです。羊水の中には胎児の細胞が落下しています。
それを培養して染色体を調べ、その本数が通常と違っていれば異常ありというわけです。本来ならば2本組のはずの染色体が3本組になっている状態をトリソミーといいます。全部で染色体は23種類ありますがそのうちの21番目の染色体がトリソミーならば、「21トリソミー」というわけです。
これはダウン症候群のことで、その他にも18トリソミー・13トリソミーといった状態がわかるようになりました。ちなみに羊水を抜くこと自体はもっと以前から行われ治療がされていたのですが、その細胞を人体の外で培養できるようになったのが40年前というわけです。染色体は我々の身体の設計図、それを顕微鏡で観察するわけでいくらかの情報は入ってきます。
超音波検査、そしてDNAを読み取る新型出生前診断
1980年代、超音波検査の全国普及もまた出生前診断の技術アップに貢献しています。初期こそぼんやりとした画像しか得られなかったものの、次第に解像度も上がり心臓や消化器・脳・骨などの異常がわかるようになったのです。そして現在の新型出生前診断、超高速でDNAを読み取る次世代シーケンサーという機械が登場します。
DNAの全情報・ゲノムを短期間で読み取ることが可能となったのです。1990年代に行われた国際プロジェクトだと14年の歳月を要した作業がたった1日か2日で行えるようになりました。
ただしDNA情報のほとんどがまだ現代医学だと暗号で、生まれてくるまでわからない病気や成長することでわかる病気というのもあります。これからさらに暗号の意味の解明が進んでいくにつれて、ほんのわずかな細胞から数多くの胎児の情報が読み取れることが期待されています。たったの40年とはいえ技術の革新はかなりのもの、さらに研究は続けられているのです。
東京での新型出生前診断が受けられるクリニック
どの産婦人科にも超音波検査のための機械が整備されている、このような国は日本以外他にはあまりないようです。もしも生まれる前に赤ちゃんの病気を知ってしまうと、産むことを諦めてしまうことも多くなるでしょう。それに出生前診断に関しては倫理上の問題もあり、一部の妊婦さんしか受けていないのが現状です。
そのため超音波検査機器のように産婦人科すべてに行き渡っているわけではありません。とはいえ東京には新型出生前診断が可能な所は比較的多くあります。首都である東京ですから技術も最新のもの、どうせ受けるならばきちんとしたところでというなら田舎よりも都会で受けることをおすすめします。
東京ならどこもやっているわけではありません。それに機器の古い新しいもあります。年齢制限や紹介状の要不要・費用についてもさまざまなので、口コミ評判などを調べてから行くことです。そして「ダウン症である」などの診断が下された時にどうするか、夫婦で話し合っておくことも大切です。
ほんの少し前までは妊婦さんのお腹の中は闇、赤ちゃんが出てきて初めてその妊娠が正常だったか・赤ちゃんは無事かといった情報がわかるものでした。しかし今はどんどん進化していっています。とくに東京であれば新型出生前診断を受けられるクリニックは多数ありますが、それを行うかどうかは夫婦でよく話し合って決めるべきです。