新型出生前診断と羊水検査の違いとは?それぞれの特徴を知ろう!
小さな命をさずかり嬉しい反面、胎児に染色体異常がないか不安を抱く人もいますよね。出生前診断を受けると、胎児の染色体異常の有無を調べられます。この記事では、出生前診断の代表的な検査である羊水検査と新型出生前診断の特徴と違いについて説明します。これから出生前診断を受けようと考えている人は参考にしてください。
羊水検査の特徴
胎児は母親のお腹の中で羊水につつまれて成長します。羊水には胎児の細胞が含まれおり、羊水を採取することで、胎児の染色体や遺伝子を調べられます。胎児の細胞を採取できるので、染色体異常があるかどうか確定診断ができます。羊水検査ができる時期は、羊水が充分に貯まる妊娠15週以降です。
羊水検査は、エコーを見ながら母親のお腹に細い針をさして羊水を採取します。お腹に針をさすと聞くと不安に感じる人もいるかもしれませんが、兵庫医科大学病院によると、採血よりも痛くなかったという人が多いそうです。針をさしている時間は15~20秒くらいなので、あっという間に終わります。
しかし、羊水に針をさすため、ごくまれにですが流産する可能性があります。そのため、出生前診断をする際、羊水検査から始めることはほとんどありません。まずは、胎児への負担が少ない新型出生前診断や母体血清マーカー検査を行い、陽性であれば羊水検査を受けて確定診断するか検討します。
新型出生前診断の特徴
新型出生前診断は、2013年から日本に導入された新しい出生前診断です。母親の血液を採取し、その中に含まれる「cell-freeDNA」という胎児のDNAを解析することで染色体の異常を調べます。検査に必要な量の「cell-freeDNA」が母親の血液に循環するのが、妊娠10週以降と報告されているため、検査を受けられるのは妊娠10週以降です。非常に精度の高い検査ですが、染色体異常を確定できる確定的検査ではありません。
確定診断のためには羊水検査などの確定的検査を受ける必要があります。新型出生前診断ができる施設には、日本医学会が認定した認定施設と非認定施設があります。認定施設は、妊婦に対するカウンセリングの体制など厳しい条件を満たした施設です。非認定施設でも違法ではなく、採血などの医療行為が認められている施設です。
認定施設の場合は、21トリソミー(ダウン症候群)、18トリソミー(エドワーズ症候群)、13トリソミー(パトー症候群)のみの診断という規定がありますが、非認定施設では、その規定がないというメリットがあります。専門的な知識がないと簡単に理解できる内容ではないため、どちらを選ぶにしてもきちんと検査結果を説明してくれる施設を選ぶことが大切です。
新型出生前診断と羊水検査の違い
新型出生前診断と羊水検査の違いを2つ紹介します。
検査の目的
新型出生前診断も羊水検査も胎児の染色体異常を調べる検査ですが、新型出生前診断は異常があるかないか確定できない非確定的検査なのに対して、羊水検査は異常の有無を確定できる確定的検査です。そのため、新型出生前診断はスクリーニング検査と位置付けられ、羊水検査は胎児の染色体異常が疑われる場合に、確定診断をするために実施されます。
検査できる時期
新型出生前診断は、母親の血液中にある「cell-freeDNA」という胎児のDNAを用いて検査します。「cell-freeDNA」が充分に母親の血液に循環する妊娠10週以降に検査が可能です。羊水検査は羊水を採取して行う検査のため、充分に羊水が貯まる妊娠15週以降に検査できます。
まとめ
今回の記事では、新型出生前診断と羊水検査の特徴と違いについて説明しました。新型出生前診断は母親の血液採取のみで検査ができるスクリーニング検査です。羊水検査は羊水を採取して検査する確定的検査です。出生前診断を検討している方は、この記事を参考にしてまずは新型出生前診断が受けられる施設を探してみてください。