新型出生前診断と母体血清マーカーは何が違う?双方の特徴を理解しよう!
受ける人が年々増加しているのが出生前診断です。検査方法にはいろいろな種類がありますが、新型出生前診断(NIPT)と母体血清マーカーは何が違うのでしょうか。この記事では、それぞれの検査の特徴や費用を比較して紹介します。出生前診断を受けようか検討している方、どの検査を受けようか迷っている方はぜひ参考にしてください。
母体血清マーカーとは?
母体血清マーカーとは母体の血液中に含まれている胎児や胎盤由来のタンパク質を解析する検査で、一部の染色体異常の可能性を調べるものです。AFP・非抱合型E3・hCGの3種類を測定するトリプルマーカーテスト、それにインヒビンAを加えたクアトロテストなど、母体血清マーカーの中でも種類が分かれています。調べられる疾患はダウン症、18トリソミー、開放性神経管欠損症の3種類です。
妊娠15週~17週ごろまで受けられ、感度は約75~85%です。結果は10日程度で返ってきて「○○分の1」と表記されます。費用は2万円から3万円程度と、保険適用されないため高額です。あくまでもスクリーニング検査なので、結果は100%正しいものではありません。もし陽性になったら確定診断を受けることを考えます。
新型出生前診断とは?
新型出生前診断では、母体の血液中に含まれている胎児のDNA断片を分析して特定の染色体疾患を検査します。胎児に関連するDNAが約10%確認できることを利用しています。合計すると胎児の染色体異常の7割を占めるといわれるダウン症、18トリソミー、13トリソミーの確率を調べます。感度は99%以上で、海外の医療機関で検査するため結果は1、2週間程度で返ってきます。母体血清マーカーと同じく、結果は「○○分の1」と表記されます。
また、受診する医療機関によっては全常染色体全領域部分欠失・重複疾患といったものも調べられます。妊娠9~10週以降と早い時期から受けられて、感度は約99%です。費用は8万円~20万円程度と、こちらも保険適用されないためかなり高額です。母体血清マーカーよりも感度は高いですが、こちらもあくまでスクリーニング検査のため結果が100%正しいわけではありません。
新型出生前診断と母体血清マーカーの違い
2つの検査はどちらも非確定検査であり、陽性だったからといって診断できません。それでは一体何が違うのか、今までの情報を比較しましょう。
検査に使われるもの
どちらも母体の採血で得られる血液を検査して行いますが、母体血血清マーカー胎児や胎盤由来のタンパク質を、新型出生前診断は胎児のDNAをそれぞれ調べています。
検査対象となる疾患
母体血清マーカーではダウン症、18トリソミー、開放性神経管欠損症が対象です。新型出生前診断ではダウン症、18トリソミー、13トリソミー、施設によっては全常染色体全領域部分欠失・重複疾患まで対象になることもあります。
感度
母体血清マーカーの感度は、21トリソミーで86.67%、18トリソミーで77.27%、神経管閉鎖障害で82.98%です。新型出生前診断ではいずれも99%以上とされています。
検査を受けられる時期
母体血清マーカーは妊娠15~17週頃まで受けられます。逆に15週以前では検査ができません。新型出生前診断は妊娠10週から検査可能であり、早期に検査できます。
費用
母体血清マーカーは2万円から3万円、新型出生前診断は8万円~20万円程度です。どちらも保険適用外で、同じ検査でも施設によって費用に差があります。
母体の年齢の影響
それぞれの検査は確率で結果が出されますが、色々な要素を組み合わせて算出されています。母体血清マーカーは、母体の染色体異常の確率は高くなりますが、検査結果自体は年齢の影響が加味されるものではありません。
まとめ
新型出生前診断と母体血清マーカーの違いをご紹介しました。どちらの検査方法にもメリット・デメリットがありますが、確定診断ができる検査ではないことは共通しています。結果が陽性になった場合、その後どうするのかをきちんと話し合う必要があるのは共通しています。パートナーと相談して、受ける検査とその後どうするかを決めていきましょう。