出生前診断の受診にかかる費用はどれくらい?検査方法ごとの相場とは
出生前診断とは、胎児の生まれつきの病気の有無を調べる検査のことです。近年この出生前診断を受ける人が増えています。自由診療扱いとなる高額な検査ですので、事前に費用を知りたい方も多いでしょう。この記事は、検査方法ごとの料金相場をまとめ、費用を安く抑える方法も紹介しています。受診を検討されている方はぜひ目を通して下さい。
出生前診断の非確定検査の料金相場
出生前診断における非確定検査は、胎児に先天性疾患がある確率を調べる検査です。わかるのはあくまでも「確率」であり、確定することはできません。超音波検査、コンバインド検査、NIPTと呼ばれるものがあります。それぞれの具体的な内容と料金相場を見てみましょう。
超音波検査
通常の妊婦健診でも行う検査です。超音波を利用して胎児の画像を映し、形態異常がないかどうか確認します。妊婦健診のとき以外も、希望すれば検査を受けられる場合も。料金相場は施設によって差があります。安いと数千円から受けられますが、1万円を超える場合もあるため事前に確かめておきましょう。
母体血清マーカー検査
母体の血液検査で行うものです。血液中に含まれる胎児や胎盤由来のタンパク質を解析することで、一部の染色体異常の可能性を調べます。AFP・非抱合型E3・hCGの3種類を測定するトリプルマーカーテスト、それにインヒビンAを追加したクアトロテストがあります。
対象となる疾患はダウン症、18トリソミー、開放性神経管欠損症のみっつです。妊娠15週から16週頃で検査を受けることが推奨されています。感度は80%とあくまでもスクリーニング検査であること、年齢が高いほど陽性になる確率が高いことを理解して受けるようにしましょう。料金相場は2万円から3万円程度です。
コンバインド検査
精密超音波検査と血清マーカー検査によって行います。精密超音波検査ではNTと呼ばれる首の後ろのむくみを測、血清マーカーで胎児や胎盤由来のタンパク質を測定。妊娠11週~13週の間に可能な検査です。
妊婦さんの年齢が固有のもつ確率に、精密超音波検査の結果と2つの血清マーカーの血中濃度の増減、さらに妊娠週数・体重・家族歴・1型糖尿病の有無などを考慮して確率を計算します。対象になるのはダウン症、18トリソミーです。妊娠11〜13週に受けることが推奨されています。感度は83%のスクリーニング検査です。料金相場は3万円~5万円程度です。
NIPT(新型出生前診断)
母体の血液中に含まれる胎児のDNA断片を分析し、特定の染色体疾患を検査します。合計すると、胎児の染色体異常の7割を占めるといわれるダウン症、18トリソミー、13トリソミーの確率を調べるものです。2013年からと、母体血清マーカーに比べて新しい検査であるため「新型」と呼ばれています。妊娠9~10週以降から受けられて、感度は約99%。かなり精度が高い検査です。料金相場は8万円~20万円と、ほかの検査に比べて高額です。
出生前診断の確定検査の料金相場
非確定検査で可能性が高いとされた場合、診断するために確定検査を行うことが多いです。母体に針を刺して採取した胎児の細胞そのものを検査するので、処置による0.6%~1.0%の流産などの合併症を起こす確率があります。確定検査には羊水検査、絨毛検査があり、こちらの具体的な内容と料金相場も見てみましょう。
羊水検査
妊娠15~16週以降に行う検査です。羊水を採取して、その中から得られた胎児由来の細胞を培養して行います。染色体疾患全般を調べられる検査ですが、先天性心疾患など染色体由来ではないものは診断できません。
また、合併症の他に約300人に1人の割合で死産や流産が起こる可能性があります。料金相場は10万円から20万円です。一泊入院して検査することもありますので、その場合は入院費がプラスされます。
絨毛検査
こちらも母体に針を刺して後の胎盤の一部である絨毛を採取して行う検査です。妊娠11~14週で行われます。羊水よりも採取が技術的に難しいといわれており、流産・死産のリスクは約100人に1人の割合です。料金相場は羊水検査と大体同じで、10万円から20万円に加えて入院費用がかかります。
出生前診断の検査費用を安く抑える方法
自由診療のため、いずれの出生前診断も非常に高額となっています。少しでも検査にかかる費用を安く抑える方法としては、確定検査に補助金を出している、もしくは無料で行ってくれる病院で出生前検査を受けることです。非確定検査を行って陽性だった場合、診断を確定させるにはさらに確定検査を受けなければなりません。どちらも検査すると高額になってしまいますが、最近は確定検査の費用を補助してくれるたり、無料で確定検査を行ってくれる病院も増えてきました。
万が一に備えて確定検査の補助金が出る病院で検査を受けると、陽性でも検査費用を抑えられます。補助金の額や上限などは施設によってさまざまです。事前によく確認することをおすすめします。
まとめ
ここまで出生前診断の受診費用の相場と、検査費用を安く抑える方法をご紹介しました。診断を確定させる検査は種類を問わず非常に高額になります。検査内容は非常にデリケートなものですので、どの検査を受けるにしても「陽性だったらどうするか」を事前にパートナーと話し合ってから受診してください。妊娠週数や調べられる疾患、費用などを考慮して考えましょう。