出生前診断の非確定検査と確定的検査について
出産の前にお腹の中の赤ちゃんの健康の状況を知りたいという方は多いでしょう。出生前診断を行うことで、赤ちゃんが病気や障害を持っていないかどうかを知ることができます。東京にも出生前診断を行える病院が多くありますが、出生前診断には非確定検査と確定検査があります。この2つはどんなものであり、どんな違いがあるのでしょうか。
非確定検査は確定的ではないが低リスク
非確定検査は、赤ちゃんの状態の目安となる検査で超音波や採血のみで行うものです。そのため、流産のリスクを高めることはなく、種類によっては、妊娠初期から行うことができる検査もあります。
非確定検査には、「母体血清マーカー」「コンバインド検査」「新型出生前診断(NIPT検査)」といったものがあります。母体血清マーカーやコンバインド検査は精度がそれほど高くありませんでした。
しかし、近年新型出生前診断(NIPT検査)が開発されました。これは採血のみの検査ですがかなりの精度が高い検査です。ただし、非確定検査を行って染色体異常の可能性ありという結果が出たとしても、その診断は確定的なものではありません。
一方で少しでもリスクを低くできるというメリットもあります。赤ちゃんについてのある程度の健康状態について知りたいけれど、少しでもリスクを回避したいという方は非確定診断を受けてみるとよいかもしれません。
確定検査はリスクをともなうが確定的な検査
確定検査とは診断を確定するために行う検査で、赤ちゃんに染色体異常がおきていないかどうかを確実に知ることのできるものです。羊水検査と絨毛検査の2種類があります。
羊水検査とは、母体のお腹に針を刺して直接羊水を取り出し、赤ちゃんの染色体の異常を調べるというものです。直接お腹に針を刺すため、約300人に1人の割合で流産してしまったり、赤ちゃんが死亡してしまったりする可能性があります。
絨毛検査とは将来胎盤となる部分の細胞を採取し、赤ちゃんの染色体の異常を調べる検査です。絨毛検査もお腹に直接針を刺して絨毛を採取するので母体障害などの合併症が生じるおそれがあります。また約100人に1人の割合で流産してしまう可能性や赤ちゃんが死亡してしまう可能性もあります。
このようなリスクが存在するため、東京の多くの医療機関では、確定検査ではなく非確定検査を薦めています。どうしても診断を確定したいと考えている場合は、医師とよく相談したうえで決定するべきです。
どちらの種類の検査を受ければよいのか
東京で出生前診断を受けようと決めたとき、どちらの種類の検査を受けるべきかという問いに明確な答えはありません。確実性とリスクの兼ね合いになります。
そもそも、出生前診断は100%正しい結果が得られるものではなく、とくに母体血マーカーテストは精度が低くなります。羊水検査や絨毛検査などの確定検査では、死産や流産してしまうリスクも出てきてしまいます。さらに、出生前診断ですべての異常を見つけることは不可能です。検査では発見できない病気もあります。つまり、生まれてくるまでどんな病気があるのか完全にはわからないということになります。
出生前診断では、お腹の中の赤ちゃんの健康状態について知ることができるので、子どもが障害を持っていた場合に心の準備をできるという利点もあります。しかし一方で、検査ではすべての異常を見つけることができないという課題もあります。いずれの検査を受けるにしても、そのメリット、デメリットについてしっかりと検討したうえで行うことが重要です。
非確定検査にも、確定検査にもそれぞれメリットとデメリットが存在します。出生前診断を行うことで、赤ちゃんが病気や障害を持っていないかどうかを知ることはできますが、少なからずリスクも伴います。東京で出生前診断を受けようと決めたら、検査を受ける前によく考えてから行いましょう。