出生前診断を受診する前に知っておくべきこととは?
妊娠したら、胎児に先天性や遺伝性の病気などがあるかどうかわかる出生前診断を受けてみようか考えている夫婦が多いのではないでしょうか。今回は、東京で出生前診断を受診する前に知っておくべきことについて紹介します。
メリットにはどんなものがあるか知っておこう
出生前診断には、奇形や染色体異常など胎児のさまざまな異常を知ることができる以外に、お腹の中の子どもの性別を知ることができたり、逆子かどうかを知ることができるというメリットもあります。
もし胎児が先天性異常であったとしても、早期に発見することができるので対策が立てやすいです。出産してから障害があるとわかった場合には両親の心の準備ができておらず、育てる自信がないまま育児を始めることになるかもしれません。そのような事態が起きないように、事前に検査をして知っておくことが有効であるといえます。
他にも出生前に検査をしておくことによって、安心感を得られることができます。高齢出産の方や遺伝的な病気を持っている場合だと、健康な赤ちゃんが生まれるかどうか心配になってしまうことが多いのではないでしょうか。この検査をおこなうことによって、何もないと知ることができれば、安心して妊娠生活を送ることができるからです。
検査にかかる費用相場も知っておく
新型出生前診断を受けるとき、気になるのは費用がどれぐらいかかるのかということですが、実際の費用は20万円程度かそれ以上かかるのが相場です。そして陽性の結果が出て羊水検査を受ける場合は、その費用として10万円~15万円程度の費用が新たにかかることになるでしょう。また、検査そのものの費用とは別に、カウンセリング費用として5,000円~1万円程度かかる場合もあります。
倫理的問題点を理解しておくことが大切
出生前診断にはさまざまなメリットがありますが、問題点も何点かあります。それは何かというと倫理的な問題です。この検査をおこなった夫婦の多くは陽性という診断が出てしまった場合、産むことを躊躇してしまい中絶の方向へ話を進めてしまうことが多いかもしれません。
赤ちゃんに障害があることが判明した場合、その90%が人工中絶を選択しているという現実があるということも知っておく必要があります。
陽性であったとしても、産む決意があるという夫婦であれば、妊娠中に子どもを迎える準備期間ができたというメリットがありますが、そうでない場合は中絶によって一つの命を消してしまう手助けをすることになってしまうからです。
ダウン症などの先天性異常の子どもを育てるのは、精神的にも経済的にも想像以上に負担になってしまいます。そうはいっても本来生まれてくる予定だった子どもを中絶してもよいのか、という倫理的な問題を持っているということを理解しておくことが大切です。
間違っている恐れもありすべての病気はわからない
出生前診断は100%合っているわけではなく、実は間違っている恐れもあります。特に母体血マーカーテストは精度が低いので、陽性という結果が出たとしても98%の子どもは健康な体で生まれてきます。
この母体血マーカーテストはスクリーニング検査のようなものなので、この検査で陽性という結果が出たら、羊水検査や絨毛検査を受ける必要があります。しかしこれらの検査をおこなうと流産してしまうリスクも出てしまうので注意が必要です。
リスクを負ってまでおこなった羊水検査や絨毛検査も100%信頼できるものではなく、0.1~0.6%の確率で誤診がある場合もあります。検査をする前にその点も理解しておくのがいいでしょう。
そして出生前診断では、すべての異常を見つけることはできません。検査では遺伝子の中の13番、18番、21番の染色体の濃度を調べることができるので、13トリソミーや18トリソミー、21トミソリーを確認することができます。
それは逆を返せば他の病気を見つけることができないということなので、結局生まれてくるまでどんな病気があるのかわからないということになります。
出生前診断には、お腹の中の子どもの状態を知ることができるので、万が一染色体異常などの障害が子どもにあった場合、生まれる前に心の準備や対策を練ることができるというメリットがあります。しかしその反面、胎児に障害があった場合、中絶ができてしまうので倫理的な問題が発生してしまうことも多いです。
またこの検査は100%合っているわけではなく、すべての異常を見つけることができないという問題もあるので、受診する前によく考えてから実行するようにしましょう。