東京で出生前診断が普及しはじめた背景
出生前診断は誕生した頃は希望する人や実施する人が少なかったのですが、ここ最近では希望者が急増していると言っても過言ではありません。東京などで出生前診断が普及しはじめた背景にはどのようなものがあるのでしょうか。受けたいと考えているのであれば、背景を知っておくことも大切だと言えます。
もくじ
出生前診断の種類は2種類に分類される
そもそも出生前診断は昔からおこなわれており、受ける方も相応にいました。確定診断と非確定診断の2種類に大別でき、確定診断はその名の通り染色体異常の有無をほぼ100%わかる高精度検査です。
検査方法は羊水検査等があり、お腹に針を刺して羊水の中にいる胎児の細胞を採取する方法です。精度が高いのですが、出血や最悪流産・破水するリスクのある検査でもあります。リスクが低いですが精度は可能性程度の非確定診断があり、母体の血中にある4種類の成分を指標に染色体の異常可能性を計算するものです。
血液検査以外に超音波検査もあり、エコーを用いて首の後ろ側の厚さを測定します。検査方法によって費用や精度、そしてリスクも変わってきますので、医師や家族とよく相談しておこなうことが大切であり重要です。
このリスクが低い非確定診断は精度が低い特徴がありましたが、近年新しい検査が開発され日本にも2013年より導入されています。その精度は99.99%と言われており、それが新型出生前診断です。
新型出生前診断は実際どのようなものなのか
妊婦の血液検査だけで、ダウン症等の染色体異常が高精度・低リスクでわかる新しい検査が新型出生前診断です。従来の検査よりもさまざまな面で違いがあります。
まず検査の時期ですが、妊娠10週目以降で可能となっており、妊娠の初期の段階でダウン症と3種類の染色体異常の有無を診断できます。検査方法は血液検査なので、容易で早期に負担なく高い確率でわかります。
高精度と言えども陰性的中率がほぼ100%であり、陽性的中率は80%~95%です。染色体に異常がないと診断されたら間違いないのですが、異常があると診断された場合は少ないですが異常がない可能性もあるということです。
そうなれば少ない可能性の芽を摘むことに躊躇し、余計不安や混乱を招くことにも繋がりかねません。こうしたことが起こらない様に、もしも染色体異常があると診断された場合、ほぼ100%わかる確定診断を推奨されます。確定診断はほぼ100%の高精度検査ですが、羊水検査等母体に負担が大きく、流産や破水するリスクがあります。
低リスクで高精度である新型出生前診断を選択しましたが、結果的にリスクを負わねばわからない事態にもなることは知っておく必要があります。
出産前の不安を取り除きたいという人が増えている
出生前診断は昭和の時代からすでに確立されており、その後幾度も研究が重ねられ新型出生前診断も登場してきました。新型出生前診断は、低リスクで高精度であり希望者が望んでいた検査とも言えます。出生前診断をするとどのようなことが分かるのか知っている人がほとんどだと思いますが、これによってお腹の中にいる赤ちゃんがダウン症候群であるかどうかなどを判断することができます。もしも出産してから赤ちゃんに障害があることが判明したとき、育てていく自信がないと考える人は妊娠や出産に対して消極的になりやすいです。
しかしながら、この検査が受けられることによって出産前の不安を取り除くことができるため子供を産みたいと考えている人も増えています。現代ではインターネットで様々な情報を入手することができるので、ダウン症の子供を育てることの苦労などを知って不安を抱く人が多くなっていると言えるでしょう。
出産してから育てられないとなってしまうことに不安を感じている人たちが出生前検査を希望するケースが増えており、その結果として実施されることが増加していると言えます。東京で出生前診断が増えていることの背景のひとつには、妊娠出産をする人たちの不安が関係していると言えるでしょう。
インターネットの普及で希望しやすくなった
インターネットの普及によって出生前診断を希望しやすくなったということも、出生前診断が増えている背景のひとつだと言えます。近頃はインターネットで病院を調べたり予約を行ったりすることができますが、昔は直接病院に行く必要がありました。
医師から本当に検査をするのかときつい口調で言われてしまうことが不安、周囲の目が気になるということで、気軽に希望できなかったという人は多いものです。ですが、現在では出生前診断を積極的に受け入れてくれる病院を簡単に調べることができますし、離れた場所にある病院も簡単に見つけることができるので、知り合いの目も気になりにくい環境が作られています。
忙しい場合でもネットでカウンセリングを受けてから検査をすることができるなど、サポート体制が整っているので出生前診断を行いやすくなっていると言うことができるでしょう。これからもインターネットによる手続きの広まりや情報提供によって、出生前診断が広まっていくことが予想されます。
出生前診断についての理解が広まっている
最も大きな理由のひとつとして、出生前診断についての理解が広まっているというものがあげられるでしょう。昔は授かった命はどのようなものでも大切にしなければならないと考える人がほとんどでしたが、現在ではそれだけが正しい考えではないと思う人が増えています。
もしも障害を持った子供が生まれたとして、親が鬱やノイローゼになってしまえば意味がありません。最悪の場合は生まれてきた子供の死亡に繋がるケースもあるので、あらかじめ診断することが一概に悪いことだとは言えない状況ができていると言えます。
実際にダウン症候群の子供などを持つ親が子供に手をかけたことなどがニュースになったケースもあり、こういった事情から出生前診断を行うことに対して理解を示す人が増えているようです。これまでは反対する人が多かったためか、周りから良く思われないという理由で実施しない人が多かったですが、理解を示す人が増えると共に希望する人が増加しています。
東京では出生前診断を行う人が増えています。これは、出産の不安を取り除きたいと考える人や、それに対して理解を示す人が増えた影響が大きいと言えるでしょう。また、インターネットの普及で情報を集めたり病院を探したりすることが簡単になっていることも、ひとつの要因として考えられます。